ドイツ在住のサービスデザイン業界の超有名人のマーク・スティックドーン氏がUX DAYS TOKYO 2023 で紹介した「サービスデザインの12の戒め」をご紹介します。
サービスデザインに関わっていない方でも、また、サービスデザインをUXに置き換えて考えても勉強になります。
みなさんの仕事の教訓に追加してみてはどうでしょうか?
サービスデザインの12の戒め
教訓1 「サービスデザイン」という名称にこだわる必要はありません
大切なのは考え方やアプローチ方法です。UXデザインやデザイン思考、あるいはイノベーションと呼んでも構いません。組織内にあることが重要であり、名称にこだわる必要はありません。
教訓2 最初のドラフトを作ることが重要
最初のドラフトを作ることは必須です。それを文化として根付かせることが重要です。とにかく何かを行い、皆で共有し、バカげたアイデアでも進化させることが大切です。こうした文化があれば、失敗やミスが問題になることはありません。
教訓3 ファシリテーターの役割は非常に重要
ファシリテーターの役割は非常に重要です。ユーザー中心型で、新しい視点を取り入れたデザインを常に行う必要があります。複数の視点を得ることで、様々な可能性を探ることができます。デザイナーがファシリテーターの役割を担うことが重要であり、異なる分野の進歩を促進することが必要です。
教訓4 実際に行動することが重要です
資料を作成するだけでは不十分であり、話し合うだけではなく、実際に行動することが重要です。パワーポイントではなく、実際に何かを行い、試してみることが必要です。
教訓5 継続的な取り組みが必要
デザインは実際に拡大し、続くようになります。ダブルダイヤモンドはよく知られていますが、現実はいくつかのダイヤモンドからなっています。クリエイティブなだけでなく、継続的な取り組みが必要です。
教訓6 正しい問題を見つけることが重要
問題解決のためには、正しい問題を見つけることが重要です。リサーチやプロトタイピングが非常に重要であり、リサーチに時間をかけ、問題を見つけることが最も重要です。インサイトをナレッジに変えることが必要です。
教訓7 未完成なものを多くの人に見せ、意見を得ることが重要
想像でなく実世界でのプロトタイプが重要です。文脈に基づくプロトタイプを現場で試してみましょう。完成されていなくても未完成なものを多くの人に見せ、意見を得ることが重要です。現場の社員も巻き込みましょう。グラフィックデザイナーにとってのツールはペンですが、サービスデザイナーにとってのツールは人と組織です。実際の環境での真のフィードバックを得ることができます。
教訓8 ひとつのアイデアやプロトタイプにだけ固執しない
ひとつに全てをかけないでください。ひとつのアイデアやプロトタイプにだけ賭けないでください。まずは様々なアイデアから始め、それぞれのアイデアに基づくプロトタイプを作って成功率を上げることが大切です。リスクを回避することも重要です。どのプロトタイプを先に進めるべきかを判断するためにも分散投資の考え方を取り入れましょう。
教訓9 手法が全てではない
手法が全てではありません。デザインやペルソナに集中することは避けましょう。手法を過大評価しないようにしましょう。美しいジャーニーマップは単なるツールに過ぎません。みんなが手法を使って提供できる価値が大切です。現実を変え、行動を変える方法について考えることが重要です。
教訓10 イテレーションの計画を立て、適合させよう
まずはイテレーションの計画を立て、適合させましょう。反復的なステップを取り入れることが重要です。しかし、組織がそれを理解することは難しいかもしれません。もう一度やり直さなければならないということは、「後退する」と思われるかもしれません。洞察を得るために、一歩さがって、リサーチをもう一度行うことが重要です。
教訓11 異なるレベルでの視点を持ち、ズームインやズームアウトを行うことが必要
細かい戦略を実践するにあたって、どのようにタッチポイントを扱うかを考えることが重要です。異なるレベルでの視点を持ち、ズームインやズームアウトを行うことが必要です。全体像を把握する能力と、詳細に注意を払う能力の両方が必要です。
教訓12 すべてはサービス、多角的に物事を見る力が大切
全てのものはサービスであるという考え方が大切です。物理的な製品にも、サービスの要素が欠かせません。製品はサービスの一部に過ぎず、車などの製品も「移動」というサービスを提供しているに過ぎません。競合相手は公共交通機関のようなサービスです。このような考え方が必要です。