自分ごと化の難しさとユーザー視点の重要性

品川区のアイディアソン(シビックテック)に参加して

自分ごと化の難しさを知った

先週の土曜に品川区で行われた「地域課題をITで解決するワークショップ」というテーマでアイディアソンが開催され参加しました。

ワークショップに殆ど参加しないのですが、税金が上手に使わればいいな。という思いや、一般の方参加のアイディアソンはどんな感じなのか?という興味もあり参加しました。

品川区が関わっていると言うことで「福祉」「子育て」「教育」「商店街」がテーマでした。出産していない私は「子育て」や「教育」の問題提起と改善でアイディアがほぼなく困ってしまいました。

一方、データービジュアライゼーションでSwapSkillsにも登壇いただいた著名なデザイナーであるトクマさんも偶然にも同じグループだったのですが、お嬢さんがいらっしゃるので「子育て」「教育」についての思いが強く、いろいろな問題を発言されていました。これらは私には思いもつかない問題でした。

参加したことで改めてユーザー調査の必要性と、開発者は絶対にユーザーになれないという感覚と難しさを感じたのでレポートします。

ウォームアップで掛け算ストーミング

まず、アイディアソンでよく利用する掛け算ストーミングで頭をならしを行いました。
掛け算ストーミングは以下が参考になります。

優秀すぎるメンバーが揃ったチーム

先程も紹介したように、プロのデザイナーをはじめ、おばちゃんちという品川区の活動を行っている幾島さん、code for TOKYOの池田さんなど、私が参加したチームは優秀な人材が集まっていました。メンターで参加されていた方には「ここのグループはレベル高い!」って言ってもらったくらいです(笑)。

「地域課題をITで解決する」ワークショップ内容

ワークショップは以下のように進められました。

  1. 第1回で行ったレポートを参考に各テーマの問題について個人ワークを行う
  2. グループでディスカッションを行う、問題の掛け算?
  3. 問題を解決しないとどうなるのかを明確にイメージする
  4. 問題が解決できればどんな良いことがあるのかイメージする
  5. グループでディスカッション
  6. グループ以外でイメージしたものを共有する
  7. 問題解決方法を考える

という流れでした。デザイン思考のプロセスをきちんと踏んでアイディアを共有することができました。
私達のチームはレベルが高く思った以上に勉強になったのですが、(6)の他のチームと共有する時にもどうしても同じ年代の方と情報共有してしまったんです。

今思えば、自分の目的には”一般の方や高齢の方の意見を聞く”ことがあったので、異なる属性の方と情報交換できればよかったのかな?と少し反省しています。

問題提起の難しさ

「福祉」「子育て」のテーマでは区境問題が挙げられていました。例えば、防犯情報が区別になっていると隣の区の情報が入って来ない。犯罪情報の更新がされず解決したものかわからない。など、現在のサービスの問題点なども具体的にでてきました。

私は使っていなかったのでその時点で置いてけぼりだったのですが、ユーザーの声は”実に問題を的確に出せる”のだと感じました。と同時に開発者はユーザーになりきれないことを痛感しました。

実際にサービスを使ってみた

その時に話題に出ていたサービスかわかりませんが、「犯罪情報マップ」を見てみました。作った方には申し訳ないのですが、見たくない。って感じを受けました。

この見たくない。という感情を押しのけて頑張って目を凝らしてサイトを見たのですが、やっぱりわかりにくいです。ひとつ例を出すと、過去2年まで1年ごとに犯罪件数がわかるようになっています。ただ、この件数も左の「+」ボタンをクリックして見ないと色の意味(件数)がわかりません。

 

もっと言うと、ざっくりしすぎです。

今年のいつなのか?具体的にどこの辺りなのか?何の犯罪なのか、その下の項目を選択してみていかなければなりません(残念)。便利だとも思えないので、二度と使うことはないと思いました。

他にも区の問題は山積み

子育てとしてのサービスを見るだけでもこのように問題があるのですが、それ以外にも区の問題が多く山積みのようです。今回上がっていたのは、デイサービスや児童養護など、異なるサービスを受けている場合に同時に見ることができないので、ダブルコストにもなる可能性があることを指摘されていた方がいました。

例えば、身障者の方が育児をしている場合、介護サービスを受けているが、そのサービスをしている方は子供を見ることができないというものです。

サービスの内容が異なるので、仕方ないのですが、介護している時に子供が危ない目にあう、トイレに行くたくなるなどは通常考えられるケースだと言います。これら両方を同時に受ければダブルコストになります。

商店街のサービスで選考されました

4つのテーマで私に一番親和性が高かった「商店街」をテーマに問題提起と改善案を考えました。みんなで評価したのですが、うれしくも面白いアイディアとして選考されました。ある意味、自分の身の回りにおこっている問題だったので伝わったようです。

自分の身の回りの問題は、近所にできたばかりの魚屋、八百屋が潰れてしまうということです。その店が悪いのか?といえばそうでない。

魚や野菜は鮮度が命なのですが、スーパーより鮮度の良い品が商店街のお店では手に入れることができます。イワシは5匹380円と凄く安く、大きくて脂がのってめちゃくちゃうまい。こんな魚はスーパーでは味わえない。

サンマや岩牡蠣も岩手や北海道から直接入ってくるので新鮮で安くてうまい!!!なのに、これから食べられなくなってしまうんです。(涙)

サービス起案は単純

私のサービス起案は単純で以下の2つです。

1つは「商店街のお店情報を受取るサービス」と、もう1つは買い物が面倒なので「買い物代行サービス」です。

「商店街のお店情報を受取るサービス」

仕組み

仕組みは単純でリアル店舗に行った際にそのメディアの存在を知るというものです。

  1. お店に行くと「このお店の美味しい情報を受け取れますよ」というプッシュ通知がスマホにくる
  2. 登録したいユーザーは登録を行う
  3. ユーザーが通知時間を設定し、情報があれば毎日その時間にまとめて通知が来る

詳細内容

商店街全体で通知設定ができるようにするため、知らない店舗も知ることができるし、個人商店自体も商店街組合(コミュニティ)に参加しやすくなります。お店の利点としても明確で、他のお店で登録された接点のないお客にも接点を持つことができます。

  • 商店街全体で行うので1つのお店で登録すれば、近くのお店の通知もくるようにします
  • お店によっては通知が要らない場合もあるので簡単に削除できるようにする
  • 商店街ごと、エリア(自分の家)から**kmというように登録する

「買い物代行サービス」

仕組み

  1. 購入したい商品を選択
  2. 届けてほしい時間、届けられる時間を選択
  3. 家で受け取る

詳細内容

これも単純で、代行業者を使うとコストが上がるのでお店のスタッフが配達する仕組みです。スタッフがいない場合はどこかの業者と組んでも良いかもですが、取り急ぎは商店街で協力しあって行える仕組みを考える必要があります。

凄く注文が入れば業者に依頼することもできると思いますし、購入金額を設定してそれ以下の場合有料配送でも良いかも知れません。

結果的に大手スーパーしかやっていないサービスが商店街でまとまることで実現が可能になります。また、一人暮らしの老人の存在も知ることができますし、商店街のコミュニティも発展します。最終的には品川区の安心、安全

  • 購入したお店のスタッフが届ける
  • いくつかの店舗にまたがる場合は協力しあって配送する
  • 届けられる時間を設定することができる
  • 1店舗あたりの合計金額を設定して

Webサイトも情報も出している

このワークショップに参加していた方もおしゃっていたのですが、実際にはこのようなサービスは実在するようです。例えば、トクバイというサービスが存在します。

しかし、私が良く行く八百屋さんも登録していますが情報がでていません。

地域の情報を出している「トクバイ」

効果が見えないと使わない

当たり前ですが、効果が見えないと店側からすると面倒で仕方ありません。毎日異なる商品であるからゆえでより面倒なのです。

 

安い情報より面倒でないことを選ぶ

以前まで安い商品を狙ってスーパーを巡る的な話題がありましたが、私自身をユーザーとして考えてもこれはないのではないか?と思います。

実際にユーザー調査をしていませんが、この八百屋では近くのオオゼキスーパーよりはるかに安い値段で鮮度の良い野菜をだしていますが、購入する人の数はオオゼキが断然多いです。

今回同じチームの幾島さんも「面倒だからスーパーで買っちゃうわよねー」と60代の主婦でもおしゃっていました。

では、私はなぜ商店街の個人商店で購入するのか?それは美味しいからです。しかし、毎日同じものが必ずある訳でないので、行ってなかったー。と残念になることがあります。このような(行って面倒だった)体験は自分では気がつかないうちに足を運ぶばせなくしています。

効果のあるサイトづくりとは?

先程の「犯罪情報マップ」や「トクバイ」などはユーザー視点やニーズが入っていないのかもしれません。もっと言うと、ホームページなんかいらないと思っています。

アイデアも実装によって異なるので税金の予算で実装されることがあるのであれば良いものができればいいな。と心から願っています。実装にも技術を知らないとネイティブアプリなどに行ってしまうそうで怖いですが。

ホームページでもない、ネイディブでもない。でも汎用性が高くて実現可能なもののアイディアがあるのですが、本業なんでね。ボランティアは無理なので予算があれば手伝ってもいいかな。

この記事を書いた人:大本 あかね

UX DAYS TOKYO を運営してる Web Directions East.LLCの大本です。
カンファレンス運営していますが、毎年行われているUXDTは私自身も学びの場になっています。また、海外のUXカンファレンスにもいくつかいくようになりました。学んだ知識を実践し、勉強会やブログなどでフィードバックしています。UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう。