リサーチ対象者を頭の中だけで決めてはいけない

格言:大本あかね / 記事作成:ymskb、イケダマリカ、MichiyoKunugi / イラスト:ナユミ

「ユーザーの声が大切なのだから、インタビューを実施することが大切だ!」
UXやユーザー視点を取り入れようとしているときに、よく聞く声かと思います。

確かに、UXはリサーチなしでは成り立たないものではありますが、条件や手法を間違ったまま進めてしまうと結果に繋がりません。

「ユーザーは具体的にどのような人なのか」という条件を考えていくうえで、自社のユーザーとして思い浮かんだ「若い女性」「ミレニアル世代」などの抽象的なユーザー像のまま調査を始めてしまうと失敗が起きやすくなります。

ユーザーリサーチを実施していくうえで重要なことは、正解を見つけるものではなく、小さな仮説検証を積み上げていくという心構えで取り組むということです。

この考え方は、リサーチ対象者を決めることにも当てはまります。

では、対象者を決めていくために、どのようにして小さな仮説検証を積み上げていけばよいのでしょうか?

リサーチャーは日常的に行動の真意を探っている

優れたリサーチャーは、日常生活で家族や友人に会うときにも「なぜ」そのような行動をとったのか考えることを意識しています。

ある缶コーヒーのリサーチ担当者は、家族がコンビニコーヒーを購入したときに、「なぜコンビニのコーヒーを選んだの?」とインタビューをすると言っていました。

このように身近な人(具体的な個人)へのインタビューを通じて、小さな仮説検証を積み上げることで、もっと深くインタビューすべき人を考えたり、似たような人の反応を予測したりして、より適切な仮説になるようにブラッシュアップを重ねています。

調査が目的になっていないかチェックする

「リサーチをやりたいのだけど、対象者でどんな人を呼べばよいか分からず困っています」という声も聞いたことがあります。

この質問への回答として、必ず「これ」といった正解は出せません。小さな仮説検証を行うことで、適切なものを選んでいく必要があります。

社内メンバーや身内への仮説検証の過程で情報が集まり、リサーチが完結してしまう(知りたかったユーザー視点が出てくる)こともあります。

「UXの向上のためには、大きな予算を掛けて調査対象者を必ず外部から呼ばねばならない」という思い込みから脱し、仮説検証を重ねることが、ユーザーリサーチを次のアクションに繋げるための第一歩になります。

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この記事を書いた人:ymskb