ユーザーは欲しいものを知らないから行動から見つけよう

格言:大本あかね 文章:功刀美千代 / イラスト :ナユミ

If I had asked people what they wanted, they would have said faster horces.


「もし、人々に”移動手段として何が欲しいのか?”と聞いていたら、彼らはもっと速い馬が欲しいと答えただろう」ーフォード・モーター・カンパニー創立者 ヘンリー・フォード

この言葉は、マーケティング界隈で使用される「顧客に聞いても、顧客の要望はわからないという」意味で使用されるヘンリー・フォード氏の有名な言葉です。

ヘンリー・フォードはフォード・モーター・カンパニーの創設者で、中流階級の人々が購入できる自動車を生産し、広く普及させた立役者です。

自動車が普及する前のアメリカでは、主な交通手段は馬車でした。フォードは自動車を知らない中級階級の人々に何が欲しいか質問しても、もっと早い馬が欲しいとしか答えられないと推測し、

馬車にこだわらず、「速く移動したい」という本質的なニーズを見つけ上流階級のものだった自動車を中流の一般家庭でも購入できるよう設計し販売しました。

当時の中級階級のユーザーは自動車を知らなかったので、自動車が欲しいとはいわず、早い馬が欲しいと答えたでしょう。しかし、ユーザーの本当のニーズは「速く快適に移動すること」。ユーザーは形になって初めて何がほしいのかがわかります。

このように、ユーザーは、言葉にでき、形としては思いつかないが、ユーザーの行動には潜在的に欲しいものの「種」が潜んでいるのです。

TikTokもユーザー行動を分析して開発された

TikTokもユーザーの行動から潜在的なニーズを掘り起したサービスの1つです。TikTokの前身musical.lyの創設者の1人アレックスは、電車に乗っている時に周囲の若い人を観察しました。半分の人は音楽を聴き、他半分の人は自撮り画像や動画をSNSにアップしていたことから、この2つの行動を組み合あわすことで面白いコンテンツになるだろうと考え、コンテンツに音楽を乗せられるようにしたMusical.lyを作り、アメリカと中国でローンチしました。

アメリカで爆発的にヒットした後、TikTokとして中国、韓国、日本と着実にユーザー数を伸ばしユニコーン企業の仲間入りを果たしました。(参考:TikTokを爆誕させた、知られざる三人の男の物語)

フォードの例に倣えば、何が欲しいかと電車に乗っていた若者にインタビューをしてみたところで、何も新しいものは創れませんでした。

ユーザーが望んでいるものを聞いて作るのではなく、ユーザーの行動から推測し、組み合わせたアレックス氏の視点がなければTikTokの成功はありませんでした。

このように、行動を調査しユーザーのニーズを洞察することが、全体の設計に重要になります。

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この記事を書いた人:Kunugi Michiyo

UX設計を一から勉強中。コンテキストがここにもそこにも…。学びは言葉になる。自分の作った文章の中に、自分の理解度が現れる。わかりにくい文書、ふわっとした文章ラダリングで答えられないのは自分が理解していないからというのが最近の学びです。