本当に、ユーザー視点では売上があがらないのか?
11月18日に公開された『ユーザー視点になり切れないのはなぜか』ユーザー視点になりきれない人・時はどんな時?という内容でディスカッションをしてもらいました。このディスカッションには、私(大本)は参加できなかったのですが、話題の中で2つ気になりました。
1つは、ユーザー視点は売上があがりにくい。もうひとつは、長期になってしまう。というものでした。
スタッフの話をよく聞くと、ユーザー視点で行った施策が、結果売上があがらなかったので、それからはユーザー視点で推し進めることができなかった。元のやり方に踏襲してしまう。というものでした。ありがちですね。
もう1つは、受託企業で働いているスタッフが、どうしても受託なので短期で終了してしまうのだけど、UXは長期的やらないと駄目なので。というものでした。
内容を聞くとそれなりに納得するのですが、言葉だけが先行すると、「ユーザー視点は売上があがらない」「UXは長期になってしまう」と言うイメージになってしまうのではないか?(それは危険!)と思い、もっと深くディスカッションする必要があると感じてテーマにしました。
ユーザー視点は売上があがらない?と質問されたらどう答える?
スタッフの発言の意図とはズレてしまうのですが、ディスカッションで出てきた言葉を少しアレンジして、今回は、「ユーザー視点で売上があがらないのか?(UXと売り上げ)」をテーマにディスカッションを行いました。
参加したスタッフから、以下のような意見がでてきました。
- 短期的に見ると、あがらないと思われるかも?
- 結果的に売上があがると思っています!
- 短期で結果を出さないとお客が離れるからユーザー視点になれない
深く話をしていくと
- 時間がかかるというイメージがある
→ やり方を知らないので、多く見積もりしている - 適切なことをせず、間違った方法や無駄な費用がかかることをしいてる
→ 正しいやり方・適切な方法を知らない・学んでいない - ビジネス視点は、虚偽の結果(バニティメトリックス)で評価しがち
→ 視点が足りていない
という内容でした。
時間がかかる・虚偽のデーターを見るのは解釈・視点の違いで変わってくる
その中でも、UX DAYS TOKYO2015・UX DAYS TOKYO2019に2回登壇し「UXの評価」について登壇したケイト・ルター氏のワークショップを受講しているキム氏は、バニティメトリックス(バニティメトリクス)について話題をだしていました。
私も現場で遭遇するのですが、ゴール設定が間違っていることがあります。ゴールが間違っているので、評価もやり方、意識が変わってしまいます。今回はこのテーマではないのですが、根本にバニティメトリックスがあるとUXの効果がないと感じてしまうのは確かです。
言葉だけが先行して違う認識をもたせてしまう
今回テーマにした「ユーザー視点では売上があがらない」の言葉だけが業界に広がり、先行してしまうケースがあるので、今回テーマにさせていただきました。
そして、言葉は気をつけなければなりません。言葉は、チームの考え方や文化を作ってしまいます。マインドセットで、プロジェクトの進行も変わると言っても過言ではありません。なぜ、その言葉になったのか?発言の元の根拠を知り、理解をすることが大切です。解釈によっては真逆を意味していることさせあるからです。
今回は、ディスカッションを行うことで、言葉通りの「ユーザー視点では売上があがらない」ではなく、ユーザー視点でも「売上は上がらないことはない。」「ユーザー視点は売上があがる」という結論になりました。ぜひ、みなさんも動画をみて考えを固めてみてください。