
行動の導線などUXに問題があるにも関わらず、表示といったUIの変更から始めてしまうことは少なくないのではないでしょうか。
例えば、飲食店のドリンクバーでグラスが棚の中にしまわれていたり、氷が離れた位置に置かれていたとします。
ユーザーがグラスの場所を見つけられずに困っているということに気づいたとしても、この問題を「場所がわかりにくいようだからわかりやすいように目印の看板を置こう!」と安易に追加するだけでは問題の解決に至りません。
この場合ですと、お客さんがすぐに気づき取れるように、ドリンクバーの機械の横に氷やグラスを置くべきです。
コップを置くスペースが限られていてドリンクバーの機械のすぐ横に置けないといった事情がある場合でも、「どのようにお客さんはドリンクバーを注文して取りに行くか」という場面を考えたり、時には実際に現場を見に行って調査することで、「ドリンクバーを取りに行くお客さんが必ず通るところに氷とコップを置いておく」といった別の解決案も考えることができます。
このように、表示だけを改善しても体験の根本的な問題が必ずしも改善されるわけではありません。
俯瞰して流れを見直すこともUX改善では重要
Webサイトなどの設計にも同様のことが言えます。
そもそもの動線が悪く、ユーザーの動きを考えていない設計であるにも関わらず、UIがわかりにくいのでは?といった話が出ると「わかりにくいようだからボタンの位置や色を変えよう」「文字の大きさを変えよう」「項目を減らそう」と言ったような、表面上のUIの改善の話だけになってしまうことがあります。
UXの問題を解決するためには、UI改善だけに因われず、ユーザーのコンテキストを想定した上で全体の流れを見直すことが重要です。