UXの費用対効果とは?|UXのROIを計算して数値化する

プロジェクト開発にユーザー・エクスペリエンスを含めることは、それだけの時間と資金に値するものなのだろうか?

もしそうならば、どうすればユーザー中心設計(UCD)のアプローチに従う値打ちを、あなたの所属組織に対し、測定して伝えることができるのだろうか?

UCDの利点について語る場合、費用対効果の一部を計算するだけでなく、ユーザーのパフォーマンスと満足度を測ることによって、成功の程度を説明することができる。

デジタル・プロジェクトは投資である

米国電気電子学会(IEEE)2005の研究によれば、全世界で1年におおよそ$1兆(120兆円 1ドル=120円計算)がITに費やされたが、U.S.政府は$6010億(72兆円)以上を約1,200の民間のITプロジェトに費やし、さらに$1610億(16兆円)を軍のIT.プロジェクトに費やしている。

ヒューマンファクター・インターナショナル(HFI)の動画「ユーザー・エクスペリエンスのROI」の中で、スーザン・ウェインズチェンク博士は以下のように述べている。

「ITの費用対効果は、最大で15%のITプロジェクトが放置されていて、プロジェクト中のプログラマーたちの時間の少なくとも50%が、回避可能な問題に時間を費やしている。」

ユーザー中心設計(UCD)のベストプラクティスに従うことは、前もって課題を明確にするのに役立つため、解決策が早期発見が期待できる。

よくある間違いを避ける

熟練したチームを築き、概要を述べたベストプラクティスに従うことで、米国電気電子学会(IEEE)2005が特定した以下の「ITプロジェクトが失敗する理由」上位12個の原因のいくつかを避けることができる

ITプロジェクトが失敗する上位12個

  1. 非現実的、または曖昧なプロジェクト目標
  2. 必要とされる資金についての不正確な見積もり
  3. 不適切に定義されたシステム要件
  4. プロジェクトの状況についての報告が不十分
  5. リスク管理がなされていない
  6. カスタマーと開発者、ユーザーの間のコミュニケーションが不十分
  7. 未熟な技術の使用
  8. プロジェクトの複雑さに対処することができない
  9. ずさんな開発を行う
  10. プロジェクト管理が不十分
  11. 利害関係者の駆け引き
  12. 商業的圧力

HFIは“10%”ルールに従うことを勧めている。経験則では、ITスタッフの10%がユーザー・エクスペリエンス(UX)の専門家であり、予算の10%がUX専用である必要がある。

UCDの原則と実践により重点を置くことによって繰り返し改良を行うことができ、ユーザーや組織の目標に合わず、費用もかかる大規模な改変を避けることができる。

UXの費用対効果 (ROI) を理解する

成功とは、”最低でもプロジェクトが放置されず、期限と予算内で終了すること”として定義できる。だが、前もってUXを行ったことによるコスト削減を計算することと、ユーザーのパフォーマンスと満足度を測り、成功について考察することで、詳細を理解することができる。

ROIを計算する

ウェインズチェンクは、彼女の白書『ユーザビリティ: ビジネスの1事例』の中で、関連したコスト削減を計算するための、3つの有益な方程式の概略を述べている:

エラー

(エラーの数) x (修正時間の平均) x (雇用者のコスト) x (雇用者の数) = 節約したコスト

例: (エラー2個/週) x (60分) x (30ドル/時間) x (100人雇用) = 60,000ドル/週 もしくは 300,000ドル/年

開発コストと維持費

(変更数) x (平均時間/変更) x (開発者の数) x (4,もし遅延したら) = 節約したコスト

例: (20変更数) x (8時間) x (40ドル/時間) =もし早く修正したら 6,400ドル もしくは もし遅延したら25,600ドル

生産性

(節約した時間) x (雇用者のコスト) x (雇用者の数) = 節約したコスト

例: (1 時間/週) x (30ドル/時間))x (1000人) = 30,000ドル/週 もしくは $15,000,000/年

成功を定義し測定する

さらに、あなたの目標に関係した成功を定義かつ測定する他の方法もある。それは、さまざまなパフォーマンスと満足感の目標について、特定の達成目標を明確にすることにより可能となる:

目標 測定 達成目標
パフォーマンスの向上
  • ユーザーエラーの数の減少
  • 使いやすさの上昇
  • 学習しやすさの上昇
向上するものとして選んだ各測定について、特定の達成目標を明確にする
露出上昇
  • トラフィック/視聴者の規模
  • 適切な時に戻ってくる訪問者の数 (ユーザーを固定化する)
  • 新しい訪問者の数 (ユーザーを惹きつける)
  • 検索からの訪問数
信頼性の向上
  • ユーザーの満足感上昇
  • システムへの信頼
  • 紹介による訪問数
資金負担削減
  • 開発コスト削減
  • 開発時間削減
  • メンテナンスコスト削減
  • 再設計のコスト削減
  • サポートコストを削減
  • 必要とされる訓練削減
  • 資料作成コスト削減
売上高上昇
  • 取引/購入上昇
  • 製品の売上高上昇

この記事を書いた人:Satoshi Kikuchi

UX DAYS TOKYO (代表)
見た目のデザインだけでなく、本質的な解決をするためにはコンサルティングが必要だと感じ、本格的なUXを学ぶため”NNG”に通いニールセンノーマンの資格を取得しました。業績が上がる実装をモットーにクライアントから喜ばれる仕事をしています。