Webサービスやプロダクト開発の現場で、チーム内の認識がずれてしまう…という経験で悩まれる方は少なくないのではないでしょうか。同じ言葉を聞いても、人によってその捉え方や解釈が異なるのは当然のことです。言葉の解釈を明確に、より具体的に伝えてコミュニケーションを取らなければ、共通認識はそう簡単には生まれません。
言葉の解釈が噛み合わないケースとは?
たとえば、「30~40代男性」と聞いたときにどんなユーザーをイメージするでしょうか。
どこに住んでいるか?通勤方法は?子供はいるか?インドア派かアウトドア派か…様々な要素が考えられます。
Webサービスやプロダクト開発の現場でも、同様のことが言えます。
「30~40代男性」向けのサービスと言っても、その解釈は人それぞれ。
ある人は、「都内のタワーマンションにむ年収1,000万円の独身商社マン」をイメージするかもしれないし、またある人は、「郊外に一戸建てを持つ2児の父」をイメージするかもしれません。
開発に関わる全メンバーが共通理解をしていなければ、一見同じ目標に向かって進んでいるようでも、少しずつズレが生じてコミュニケーションがうまく取れなくなってしまいます。
言葉を具体化するクセをつける
一回のコミュニケーションで完璧な共通認識が生まれるのは非常に難しいことです。そのうえで、日頃から言葉を具体化するクセをつけることが重要です。他人の言葉に対しても表面的に鵜呑みにはせず、「それって具体的にどういうことですか?」「例えばどんなことが挙げられますか?」と質問をすることで共通認識に近づくことができます。
UXの道具が共通認識を手助けしてくれる
UX設計ではイメージをビジュアル化する手法がたくさん存在します。
今回例に挙げた「30~40代男性」などユーザー像を共有する際は、ペルソナやストーリーボードなどが活用できます。また、デザインなどアウトプットの方向性を決める際は、イメージボード・ムードボードなども効果的です。
こうしたUXの道具は、ユーザ像やクリエイティブのイメージを具体化する手助けしてくれるツールであり、問題を解決してくれるわけではありません。使い方を誤ってしまえば本来の役割を果たすこともできません。道具をどう使うか、その視点や考え方が最も重要となります。