UX DAYS TOKYOでは、UXを学びたい方にスタッフとして活動をしてもらっています。はじめはUXのハウツーが学べると思って入ってくる人が多く、入ってから学べるものが期待と違うと感じられる方がほとんどです。
今から紹介する書籍も「UXの本で、コレ?」って思うものばかりだと思います。ですが、UXer体質を上げるために必須の書籍たちです!が、書籍紹介の前に理解しておくことをご紹介します。
まずは言葉(用語)から
スタッフはまず、UX関係の用語を調べ学び、アウトプットすることから始まります。どの業界も専門用語がわからなければ話が通じません。専門家以外と話す時にもわかりやすい言葉で、正しく解説できるようになるためには、自分で理解している必要があります。
そこで、UX関係の用語を月に1つの公開を目標に取り組んでいただいています。時間もかかり大変ですが、第一情報までたどって調べることを勧めています。そして、自分で解釈し自分の言葉にしてもらっています。そうすることで理解が深まり、忘れることはありません。
UXは視点と思考
UXは何かをすれば誰でもできるものではありません。この前提がないまま手法を学んでしまう方が多くいらっしゃいます。
UXは視点と思考がポイントになります。ユーザーの行動を見える化させ、俯瞰して問題点を探る。やり方は誰でも真似できますし、方法として間違うことはありません。
しかし、問題点を探る視点がなければUX手法を使ったところで何も生まれません。以前在籍していたスタッフで問題点が発見できなかったという記事(切符販売機の問題点を理解できないため解決策を探ろうとしない)をだしたことがあります。まずは、問題視できる視点を身につけることが大切です。
学ぶ姿勢を身につけるための書籍
スタッフ活動を年単位で行ってくれる人たちがUX DAYS TOKYOでは多くいます。スタッフの中には、目標を掲げても1年間用語が1つも公開できなかったという人もいました。とても残念なことではありますが、退会という形を取らせていただくことにしました。厳しいようですが、組織でいる以上、やらなくても良いという風潮がUX DAYS TOKYOの文化になるのが嫌だったからです。
そんなことから2020年はスタッフの人数が半分近くになってしまいました。しかし、残ってくれたメンバーは私の考えを理解してくれついてきてくれています。
それは「学ぶ姿勢」です。私の考えがまさしく入っている「思考の整理学」という書籍に出会いました。
言葉にできなかった思いがこの書籍にあった
私はそれまで、OKRなどの知識で、モチベーションがないと自らが動かない。ゆえに、「自分のためにUXを学んでください。」と伝えていました。
しかし、用語をやるにしても、結果的にUX DAYS TOKYOのためになるのだ。と心のどこかで思っているスタッフがいましたし、私もそれをWinWinの関係と思っていました。
そして、スタッフを見ていて自分のためというのは諦めやすいということにも気がつくことができました。「自分ため。」という言葉を発しても、スタッフの動きが良くなり継続することはありませんでした。動いたとしても、継続できない、一瞬で止まってしまうと感じるようになりました。
”自分のため”だけでなく、”学びの吸収率・深さ”にする思考が大切
そんな時に、「思考の整理学」を読んで冒頭の文章に打ちのめされました。そこには、職人になるための修行について記載されていました。
修行の中でよくあることですが、師匠が弟子にノウハウや方法を伝授・教えるのを勿体ぶるのは、弟子が真剣に聞くようになるから。というものでした。
私は衝撃的でした。私の言葉や考えをスタッフMTG・ディスカッションでも話しているのですが、スタッフはその場では、「なるほど!」と言います。しかし、伝わっている様子がなかったり、学んだ内容を振り返させると、その内容が刺さっていないことがあり、なぜだろう?と思っていました。
それは、前提が異なっていたからです。なんか良い知識や情報だけを吸収するだけの姿勢で学んでいたのだと気が付きました。
教えてくれるのは当たり前で、知識として理解する。でも、それは知識であり、知識・アイディアを出せる頭になっている訳ではありません。なぜ、そのようなアイディア・思考・考えが生まれたのか?師匠の言葉を大切に思うことが学びの深さを変えるのだと知ることができました。
学べないまま時間が過ぎるのが一番もったいない
私はお金より時間が大切だと考えている人間です。それは、お金で時間を買うことができないからです。いくら多額でも、あなたの人生を売ってくださいと言われて自分の人生を売る人はいないでしょう。自由に何もできないのであれば何のために生まれたのかもわかりませんし、誰も売りたいと思わないはずです。
それくらい時間は大切ですが、学ぶ姿勢が駄目なだけで、学ぶ吸収率が変わってしまうのは、その大切な時間を無駄にしていると言えます。
UXは「視点と思考」で、それらを学ぶためにその時間いるのに、深く学べない、結果的に、現場で利用できないのは残念でしかありません。
2021年、私は、スタッフにはより深く学んでもらうために、良い吸収を得てもらえるように活動していこうと思います。そして、活動が続けられるような活動(行動)をしていきたいです。
2021年、UXerに読んでほしい書籍
先程から紹介した、「思考の整理学」もそうですが、「超一流の書く習慣」もぜひ読んでいただきたいと考えています。それは、先程紹介した”学びの姿勢が変わり、行動になる”からです。
まずは、自分の学びの体制を整えましょう。吸収率が高い身体をつくることで、普段の生活からもUXを学ぶことができるようになります。