ペルソナはUX設計で重要な道具ですが、マーケティングで使われているターゲットと間違って使っている場合が多く見受けられます。
ペルソナとターゲットは違うのか?

結論から言うと違います。ターゲットはデモグラフィックデーターに基づいた属性でしかありません。しかし、ペルソナはデーターから作られた個人を示します。イメージとしてはターゲットは大衆・ペルソナは個人です。
ソフトウェア開発で大切な道具
私達はソフトウェア開発やデジタルデザインを作成しています。工業製品であれば、金型などの道具がありますが、ソフトウェアはありません。そこで役立つのがソフトウェアの道具「ペルソナ」です。
ペルソナを設定することで、ユーザーの心理も含めた設計が可能になります。しかし、ターゲット(大衆)のマインドでペルソナを属性のようにしてしまうと、心理までは固定できず、開発者の都合の良い解釈をしてしまいます。だからこそ、ペルソナには名前をつけ、本物の人のように扱います。
開発者の自分はペルソナになり得る?

開発をしている受講生から「自分はこのサービスのユーザーだからペルソナになれますか?」という問いをもらいました。結論から言うと、なり得ません。理由は2つあります。1つは個人の私的感情に揺すぶられてしまうからです。そのため、どんな人であってもリアルの人物をペルソナにすることはまずありません。
もちろん、自分がユーザーであり、なりきることで見えてくるものもありますが、ペルソナとして利用することはありません。ペルソナはあくまでマネキンです。架空の人物にして、チームで共通認識できる人物像でなければなりません。
開発者であればなおのこと、開発者の意見が出てしまうので、ペルソナになれないもう1つの理由です。いくら自分がそのサービスのユーザーであっても、開発者の立場になるとどうしても開発者視点での意見を言ってしまいます。
仮に、先に記載した”自分はユーザー視点で開発できる”のであれば、ペルソナを使わずに開発できるでしょう。ペルソナを無理に作る必要はありません。
他にもペルソナを正しく使うルールはたくさん存在しますが、残念なことに間違って学んでしまう・紹介しているケースがつきません。UX設計の難しいところはツールを正しく使えるかです。
ペルソナはツールでしかありません。道具も間違って使ってしまっては意味がありません。そして、上手に使うことで、最強のツールとなります。ぜひ、正しい学びを手に入れてください。