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トラストバリューチェーンで企業を進化させよ!:イベントレポート

TRUST VALUE CHAINワークショップの様子

2017年7月19日(水)にリクルートライフスタイルの協力を得て、アカデミーホールにて開催された、マティアス・マール氏によるトラストバリューチェーンで企業を進化させよ!のレポートです。

概要

ビジネスで成功を納めるためには顧客との信頼関係を築く必要があります。顧客との信頼を築く手法は様々なものががあります。例えば、カスタマージャーニーマップを使う方も多いかと思います。

今回は、言語学とコンピューターサイエンスを研究した後、サイコセラピー(心理療法)の実践を10年以上行なっているマティアス・マール氏がセラピストとして独自の視点から解説してくださいました。

マティアス氏が提唱するのはトラストバリューチェーン(Trust value chain)と言って、信頼関係を伝播させて行くという方法です。

トラストバリューチェーン

トラストバリューチェーンはトラストとバリューチェーンを組み合わせた言葉です。

トラスト(Trust)は信頼、バリューチェーンは各プロセスで価値(Value)を付加していくことであり、「信頼」という価値を各プロセスで付加していくことです。

コンテンツは目的が大事

サービスを提供する際には何かしらのコンテンツがあります。具体的にはWEBサイト上の記事やユーザーマニュアルなど、色々なところにコンテンツがあります。質の高いコンテンツは人と人との橋渡しをしてくれ、価値を生んでいきます。

例えば、「名刺交換」という行動を考えてみましょう。名刺交換自体は一瞬の行為ですが、そこで発生する人と人とのつながりは続きます。名刺が渡す人と渡される人の信頼関係を取り持っているのです。コンテンツである名刺が汚れていたり書かれている名前が間違っていたら、名刺の持ち主を信用することができるでしょうか。同じように、なかなか繋がらないWEBサイトを運営する企業は信頼できません。

私たちは「何のコンテンツを作るか」ということに注力しがちですが「何のコンテンツか」ではなく、「何のためにコンテンツがあるのか」というコンテンツの目的が大事とマティアス氏は言います。

カスタマージャーニーは存在しない

サービスを作るにあたり、カスタマージャーニーマップを作成する方もいらっしゃると思います。しかし、人間はロボットのようにプログラミングできるものではなく、理想通りの行動を取ることはありません。

コンテンツがどこで必要とされているかを予測するのは難しいのです。特定のカスタマージャーニーというのは存在せず、あくまでカスタマージャーニーはモデルの一つでしかないのです。

Googleは「ユーザーは計画性がないので、情報をばらまいておくべきである。そうすればどこかで拾ってくれる」と提唱しています。ユーザーが理想通りの行動を取らないということを認識しているのです。

信頼関係を築く

講演するマティアス・マール氏

「信頼関係」はビジネスにおいて最も価値があるものです。マティアス氏は以下の方法で信頼を得ると教えてくれました。

  1. 「人の目を見る」
  2. 「話を聞く」
  3. 「リアクションをとる」
  4. 「共感する」
  5. 「そばにいる」

同じチームなど自分に近いところから信頼関係を築いていきます。そうすると、信頼が部署内→複数の部署→会社全体というように伝播していき、最終的には会社と顧客の信頼関係を築くことができます。いわゆるボトムアップの方式です。

同じようなことがコンテンツを書くときにも言えます。コンテンツを書く際に、ターゲットとなる相手のことを考えて書く方が多いと思います。マティアス氏の考え方は異なっており、まずは自分に対してコンテンツを書き、自分が納得してからターゲットとなる相手に対してコンテンツを書くと優れたコンテンツを書けるということです。

サイロを好きになろう

サイロを好きになろうの図

組織で仕事をしていると、サイロ化(*1)が問題になることが少なくありません。チームがそれぞれ孤立してしまい、会社としてのまとまりがなくなってしまうので、「サイロを壊してしまおう」ということがよく言われます。しかしサイロ(チーム)内の人たちは快適に仕事をしていますし、何の理由もなくサイロが出来上がっているわけではありません。

イベントが終わった後、マティアス氏に「なぜLove Siloなのか」と質問してみました。

「サイロ同士が連携できればいいのですから、サイロがあることを尊重してあげましょう。」とのことで、サイロが悪いものというイメージだった私には目から鱗でした。

(*1)サイロ化 siloとは家畜の飼料や穀物などの貯蔵庫ないしは弾道ミサイルの地下格納庫のことで、英語では「窓がなく周囲が見えない」という意味がある。ここから、組織が縦割り構造になっていて各業務部門の活動が連動を欠いていることを「サイロ型業務」、コンピュータ業務システムにおいてアプリケーションやデータが部門や個人ごとに孤立していることを「サイロ型システム」「アプリケーション・サイロ」「データ・サイロ」などという。

日々自問自答すること

ワークショップ参加者の様子

信頼関係を築くために、日々自分自身に問いかけることが5つあるとマティアス氏は言います。

  1. 必要なものが全員閲覧できるか
  2. 目的がわかっているか
  3. 気配りをしているか、数字だけではなく人を見ているか
  4. 人助けをする前に自分を助けているか
  5. 自分から改善しているか

受講してみて

私自身、信頼関係を築くのが苦手なので、セラピストであるマティアス氏の視点は新鮮でした。サービスを提供するにしても結局は「人と人とのつながり」であることを忘れてはいけないという根本的なことに改めて気付かされたイベントでした。

質疑応答のセクションでは参加者からの質問も多く、信頼関係を築くことは企業内のテーマになっていることが伺えました。

UXを組織に入れるためにもこのような考えが重要なので凄く参考になりました。

フリーランスのエンジニア。 2001年東京都立大学(現首都大学東京)経済学部卒業。独立系ソフトハウス(システム開発)、株式会社シンプレクス(金融機関向け取引システムの開発・運用)を経て2011年よりフリーランス。フリーランスになってからは、スマホアプリ、サーバーサイド(Java,Railsなど)と様々なプロジェクトで開発に携わる。現在は会社員時代にお世話になった企業様でRPAプロジェクトで開発を担当している。 ダイエットのためにランニングとヨガを5年ほど続けているが、どちらもガチになる一方で全く痩せないことが最近の悩み。

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