あるデジタルプロダクトのツールをはじめて使ったのですが、いきなり「?」となり、わからなくなりました。少し戸惑いながらも実行できましたが、「あれ?なんだ?」と一瞬悩みました。このように、ユーザーに考えさせるデザインは良くありません。
>なぜ、考えさせないUIがいいのか?ユーザビリティテスト検定講座でご紹介
サービス開発者は慣れてしまう?
開発者はシステム動線やUIに慣れてしまっているので、ユーザー視点がないとは思っていなくてもなくなっていることがあります。特に、はじめてそのサービスに触れる新規登録者の視点は持ちにくくなります。
中には、慣れて使えるのであれば、そのままでも良いのでは?と思ってしまう方がいるかも知れません。しかし、新規で離脱は新規が増えない要素ですし、集客に力をいれて対策をしているのであれば無駄になります。
唯一無二のサービスなど存在しない
ユーザーの中には、無理やり・仕方なく使っている方も存在し、離脱を防いでいる場合もあります。他に良いデザインの同じサービスが出てくれば、不満を持っているユーザーは、我先にそのサービスに移り変わるでしょう。自サービスが一番だ!と高を括ってはいけません。
ユーザーのニーズが高く、業界でシェアを誇っていると、新しく対策を行うことに怯えてしまうものですが、唯一無二のサービスは存在しません。何かしらの競合が気が付かないうちに居て、力をつけていることもあります。競合だと思っていないサービスが競合になっているケースもあります。
攻め、成長マインドがなく、今で満足し、このまま安定したい。という思考は固まった思考で「死」に向かいます。安定など存在しないことを理解しておきましょう。
自分はユーザーなのか?
”自分が作っているサービスのユーザーになることが大切!”と、最近良く思うことがあります。冒頭で話をしたようにユーザーになれば、慣れてしまって良くないのでは?と疑問を持つ方もいるかも知れませんが、そんな心配はいりません。
上記のような問題の場合は、基本のUI設計が理解できておらず、自分のそのサービスのユーザーでもない人がほとんどです。
たまに、自分がユーザーとして使っていて、自分の意見をユーザーの意見として通す人がいますが、それもまたよろしくありません。なぜなら、バイアスがかかっているからです。ここでは詳しく解説しないですが、インタビューをしたユーザーの意見を鵜呑みにしないのと同じです。
私が言いたいのは、”開発者もサービスのユーザーになる必要がある”と言うの利点は、ただ1つ「ユーザーでの気付きがあるから」です。
ユーザーとしてサービスを使っていると本当にいろいろなことが目に入ります。ユーザビリティテストをしても気が付きにくい、特殊なコンテキストによって状態が変わり、問題に突き当たることがあります。
Google翻訳アプリの欠点
私は2年ほど前に韓国に行って、市場でGoogle翻訳アプリを利用しました。普通にアプリを使う時は超便利!って思えたのですが、市場で忙しく働いているおばさんに「この商品の(賞味期限は)いつまで持ちますか?」と聞いたら、おばさんは、「なに?」って素振りを見せます。
スマホに翻訳した文字が表示されているので、見せるのですが、私のスマホの文字サイズだと読めないらしく、「あ〜〜ぁ。わからないよ。」というジェスチャをします。
そしてもう一度私は、翻訳機に「これはいつまで持ちますか?」と言います。
あれ?面倒くさくない?って思いました。そうなのです。リピートボタンがないです!
それから翻訳機を何度も使っていますが、以外と聞き取れない場合が多くあります。ボリュームを最大にしていないので、私が持っているスマホの音量では、相手にはきちんと聞き取れないことが多くありました。
音量を大きくしてリピートさせることができれば、会話も弾むと感じました。ちょっとしたことで、ユーザーとして利用することで気がつくことがたくさんあります。
既にGoogle翻訳アプリは改善されてた
2020年3月までこのUIでしたが、現在は既に改善されてリポートボタンがつくようになりました。
このように、気づきを得て改善されることは多くあります。Googleは流石です。数ヶ月でこの問題に直面し、改善しています。そんな体制がGoogleには備わっていることが伺えます。
携帯電話を変更して気づいた問題
他にもこんな経験をしました。私は、携帯のキャリアを変更したので電話番号が変わりました。メルカリやアマゾンなど、サービスに登録している番号も変更しなくてはなりません。サービスの中には、2段階認証が絶対に必要な場合がありましたが、携帯と連動して認証する2段階認証しか対応していないサービスの変更はどうしたら?という経験がありました。
カスタマーセンターに問い合わせをして問題解決できた企業もありましたが、未だに登録が変更できずそのままサービスが使えなくなっているものもあります。
ちょっとしたことですが、ユーザーとしてサービスを使っていれば、いろいろと気がつくことがあります。開発に関わっているサービスはユーザーとしてトコトン使いましょう。きっといろいろな気付きがあるはずです。