1日みっちり6時間のUXワークショップを開催しました
2017/9/30 (土)に開催されたUXワークショップのレポートをいたします。このUXワークショップは、無料で受講できるコンテキストの理解と実践のワークショップと社内でユーザビリティテストが実施できる有料のワークショップの2公演が行われ、1日6時間にも及ぶ講義になりました。
今回も大阪にてイベントを行いました。参加者は以下のような方々でした。
参加者情報
- デザイナー7人
- エンジニア3人
- ディレクター5人
- 営業1人
- 学生2人
講義のポイント
- コンテキストの理解
- UXの鑑定士になる
- UXを取り入れたデザインを学ぶ
登壇者
- 講師:大本あかね / UX DAYS TOKYO
- メンター:大矢 礼子 / UX DAYS TOKYO
- メンター:重盛 忠司 / UX DAYS TOKYO
- メンター:小蕎 麻衣 / UX DAYS TOKYO
コンテキストの理解(第一部)
コンテキストとは何か?
講義はUXの基本中の基本であるコンテキストについて、理解するところから始まりました。
小蕎「さっそく、最初のお題は・・・写真を見て分かるコンテキストを答えてください!」
参加者の回答
- 携帯を触っている
- 携帯を触っている
- 携帯を触っている
思うようにコンテキストが出てきません・・・
ちなみに、コンテキストは日本語にすると、文章などの前後の関係。文脈です。
ここで、講師大本による一言アドバイスが入ります。
参加者の回答
- 歩いている
- 携帯を持っている
- バックを片側に持っている
- 横に人がいる
- 昼間
- 焦っていない
先程とは打って変わって、たくさんのコンテキストと思われるワードが出てきました。ちょっとした解釈の違いで、考えられる幅が変わるようです。非常に興味深い反応でした。
みなさんのアウトプットタイム後に、メンターの小蕎から、コンテキストとは何かについて解説があり、参加者一同腹落ちしたようでした。
コンテキストをもっと理解する
UXDTのコンテキストの記事を読んでディスカッションし、要約をしたものを発表するワークタイムに入ります。発表もあるので、みなさん真剣に議論されていました。
ワークでは以下の切り口について、議論しました。
ワーク後に、ボリュームたっぷりの総まとめや解説がありました。気になる方は是非参加して聴いてみてください!
ストーリーテーリング
具体的なケースから、コンテキストとタスクを理解するワークショップをしました。
A) 43歳 男性 岩手実家 家族旅行
両親の結婚記念日に弟家族の3家族(大人6名/子供3名)で旅行に行こうと企画した。宮城の温泉で、11月2日から3日までの1泊2日の温泉旅行。車は3台利用して高速を使って移動する。
親父は足が不自由で車椅子のため、部屋にお風呂がついているか、家族風呂などの貸切風呂があるといい。できれば、施設はバリアフリーだとうれしい。3家族は別々の部屋だが、食事は一緒が良い。
私達夫婦には小学生の1人づつの男の子と女の子がいて、弟夫婦には幼稚園の女の子が一人いる。支払いは、両親の分も含めて弟夫婦と折半するが一度に申込みはしたい。予算は、大人2万円ほど子供は大人の半分くらい。
9月下旬の土日の休みを利用して自宅のタブレットでWebサイトを何軒か見て回っている。
タスク?コンテキスト?
上に書いたケースですぐに思いつくものとしては、以下のようなものがあります。
コンテキスト
- 休日
- 9月下旬
- タブレット
- 自宅
タスク
- 予約
では、UXデザイナーが考える場合は?の話は、メンターの大矢から解説がありました。私も聴いていましたが、本質を捉えることが大事だなと感じました。
第一部の最後には、UXの学び方や手法に対する考え方の話もありました。ちなみにスライドに写っているのは、サニーブラウンさんです。この方は海外遠征で、今までとは違ったコーチングを受けた事によって大きく結果が変わった例を紹介で、UXも同じようにどのように学ぶかが重要であるとのことでした。
ユーザビリティテスト(第二部)
セルフユーザビリティテストとは
目的
- システム、デザインの欠点を発見できる
- 正しいテストの実施方法チーム内で行う
- 簡易なセルフユーザビリティテスト方法チーム内で同じ視点を学ぶ
Uberもテストを重ねて成功している
アイデアを考えて、形にする時は、テストをすることが非常に大事です。実例としてUberのCEOは、街でタクシーを待っている人たちに、インタビューをしてテストするなど愚直な努力を重ねた。今回は、自分たちで自分たちのプロダクトが良いか悪いのかを論理的に理解し、解決策を導くための手法を知ります。
検定試験 セルフユーザビリティテストの受験風景
内容は講義で出てきたワードなどをメモして、自分なりに理解をするなどをしていれば回答が出来るような内容となっています。
セルフユーザビリティテストの実践
実在するサイトに対して、ユーザーにとって使いやすい理解のしやすいデザインになっているかを検証しました。検証方法としては、モデレーターと観察者と被験者の3人に分かれて、テストしていきます。
その後、何が問題なのか?どうすれば良いか?などを議論しました。わずか15分のテストで大きな問題が発見されていきました。
セルフユーザービリティテストが出来ると何が嬉しい?
ユーザビリティテストのメリットを筆者の視点から感じた内容を書き出しますと
- すぐ出来る
- 見えない問題が明らかになる
- 欠陥が分かる
- プロダクトの目的を再認識できる
- ユーザーの動きを擬似的に再現出来る
- 外部委託より費用が抑えられる
逆にユーザビリティテストをしないでローンチすることはできない。と感じる程、重要度の高いものだと感じました。
エンジニアの自分としてはユーザー操作の流れが見えて、どのように設計したら良いかなどの発見になりました。
ピックアップ質疑応答:UX改善は、UI改善とは違うのか?
このワークを通して、様々な視点からUXを考えましたが、「結局UXの改善ってUI改善じゃない?」という質問がありました。
私の解釈も入れつつ紹介致します。UXはサービスが形になる前に設計をするものであって、UXのひとつにUIがあるという解釈しています。どうしても既存のサービスを改善していくことにフォーカスすると、UIを改善するからUXが改善されるといったニュアンスが強くなります。しかし、UXはサービスを使う前や使った後の時間までを考える必要がある。つまり、UXとUIは異なるものだと再確認できました。
参加したスタッフの感想
今回でワークショップに参加するのは5回目ですが、毎回参加する度に新しい発見があります。特に今回は受講だけでなく自分が話をするということで、内容を理解をしていなければならず、受講しただけより勉強になりました。
時折、大本のコメントを貰うのですが、毎回「なるほど!」と唸ることが多くあります。より理解を求める参加者の質問への答えや意見も「そういった考えもあるのか!」と”アハ体験”的な思いを感じるので、常にやわらかい頭でいられます。
今回セルフユーザビリティテストの実践も大阪では初でしたが、手法も含めて自分自身かなり勉強になりました。
普段webサイトを使っていて「不便だな」と感じることが以外と多くあるのですが、「じゃあ自分の制作したwebサイトはユーザーにとって使いやすいと胸を張って言えるのか?」と改めて考えるきっかけになり、自分自身も振り返ることができました。今回勉強したことは、自分の仕事にも導入しようと思いました。
(小蕎)
UXに興味ある方へ
UXは日々の生活の中でも学ぶことができるのですが、その学習方法はや考え方はセミナーやワークショップに受講して学ぶことができます。実践へそのまま利用できるやり方をこのワークショップでは学ぶことができます。
定期的にワークショップを行っていますので、興味のある方は是非参加してみてください!
次回の予定11月10日と29日を予定しています。詳しくはイベント募集ページをチェックしてください。