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UXあるある、駄目なUX組織

人の悪口は盛り上がる
UX組織でよく盛り上がる会話は成長に繋がるのか

UX組織で良くある駄目な例をご紹介します。と言っても、うちのUX DAYS TOKYOのグループなのである意味自虐ネタではあるのですが、現場でもちょくちょく目にするので、”自分(の組織)ゴト”だと考えて読んでいただければと思います。

人の悪口は言いやすい

UX DAYS TOKYOのスタッフだけのクローズグループ、コミュニケーションを取る場所がありますが、そこでは世の中に出ている悪いUI、迷ってしまうUI(BAD UI)などを紹介しています。私の意図は悪いものを見てもらって、自戒してもらいたいと思って投稿しましたが、批判は簡単なので、凄く盛り上がることに気が付きました。ただ、それでは自分ゴトとして考えていないと思ったので、改善案を出すようにしました。つまり、【問題】として出すように変更しました。

こうすることで、単純に駄目なことだけでなく回答を考えるようになってくれました。

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棚上げ問題

悪いUI(BAD UI)は、人の悪口なので、言いやすいです。でも、自分も同じ様にできていないのに、自分のことは棚にあげて物を言う人は、おばちゃんの他愛もない会話と変わりません。そこに何の脈絡もありません。

自分はどうか?出来ているか?自分だったらどう実装したのか?問題がわかったら、どうやって改善できるか?その根拠や理論はなにか?自問自答が必要になります。決して、自分を棚上げしないでください。

自分の中で回答だと思っても間違っている場合があります。自分の解を人に見てもらってください。下手な第一原稿と言いますが、失敗しても良いので、自分で考えて導き出し、それを評価してもらいましょう。

もし、良いアドバイス(言葉)をもらえたら、それは素晴らしいメンターに出会っていると言えます。正しく確認して評価してくれる場所に恵まれていれば、それは宝です。

回答がない問題が出題される

グループを長く運営していると新しく入ってくるメンバーもいます。その中で、やる気のある方は、問題が出ていて、何も回答や反応がないものを見ると、問題として出すだけでも良いのか?と思って、問題の回答がないのに問題として投稿します。

しかし、そこには正解ありません。ディスカッションを盛り上げるための行動で良い反面、脈絡がなければ成長はありません。

問題提起しても、そこを改善する思考を高めるという目的がないと出題の意味がありません。

ヒューリスティック評価

UX関係の書籍を読むと、ヒューリスティックはバイアスがかかると記載されています。UXerが読む本なので、自分にもバイアスがかかっているよ。ということを示しています。注意喚起を含めて書かれています。

しかし、ヒューリスティックは知見であり、それがノウハウであります。わたしは日頃UXは「視点・思考」が重要だと伝えていますが、この差がUXerの力量だと感じています。

この人と一緒にプロダクトをやったらうまく行った。そんな言葉や信頼で仕事をいただいています。私達も、そこにはバイアスがあることを気にしつつも、ヒューリスティック評価に自信を持っています。それは、バイアスがかからないようにする方法を取っているからです。

グループの中で、あるサイトのリニューアルしたことを投稿しました。その投稿に、あるメンバーが「僕は*****だと思います。」と意見をDMで述べて、どう思うのかを訊ねてきました。

やる気があって良いことです。しかし、私はそこに同調も否定もしませんでした。なぜなら、ローンチしているサイトを調査するのはまずユーザビリティテストが最初だからです。

自分の意見をユーザー意見としてしまう

「UXあるある」2つ目として、自分の意見をユーザーの意見として言う現象を耳にします。私が入っているプロダクトであれば真っ先に止めさせます。それは自分が関わっている人であるので、ユーザーの意見にはなりません。

不思議と、人は公平に見ることが難しい生き物です。何かしらの情報が入っているだけで見方が180度変わることがあります。個人差はあれど、どんな人にもバイアスがあります。ですので、ヒューリスティックはバイアスがあると書籍でうるさく記載されているのです。

私の場合においてもそうです。セミナーで話をする際にちょっと前に経験したことをすぐに話す癖があります。利用可能性バイアス・バーダー・マインホフ現象とでも言いましょうか。

話を戻すと、DMをくれたメンバーから「僕はこのプロダクトのメンバーではないので、いいのでは?」と言う声が聞こえそうですが、彼の文章はご自身の意見で、ユーザビリティテストをした結果の内容でないと感じました。

たとえコンサルティングで介入しただけで、直接作ったことがないものであってもです。私が仮に、このプロジェクトにコンサルティングとして入っても、ユーザビリティテストを実施して、その結果を評価します。決していきなり回答を導くようなことはしません。バイアスをできるだけ入れない方法を導きだします

これらの道具を上手に組み合わせることもUXerの力量になります。ただ、道具を使えば言い訳ではありません。

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いかがでしょうか?みなさんのUX組織でも、人の悪口は楽しくて、自分の意見を通す。ってことはないでしょうか?UX組織であるあるのように感じたので、一度考えてみてはどうでしょうか?

UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント 著書 ・ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインGoogle Search Consoleの教科書 毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。 UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう! スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。

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