
この記事は、Sara Drummond(サラ・ドラモンド)氏が「The School of Good Services」で教えている「サービスデザインの15の基本原則」をご紹介します。UX DAYS TOKYO 2025でもテーマになっているサービスデザイン原則です。
身の回りのサービスは本当にうまく機能しているでしょうか? 目的を達成できていますか? これらの基本原則に照らし合わせて、サービスの在り方を見直してみましょう。
原文:https://good.services/15-principles-of-good-service-design
- 1. 見つけやすさの確保 (Be Easy to find)
- 2. サービスの目的を明確に説明 (Clearly explain the purpose of your service)
- 3. 期待値の適切な設定 (Set the expectations a user has of your service)
- 4. 目的達成の実現性 (Enable each user to complete the outcome they set out to do)
- 5. 馴染みやすい操作性 (Work in a way that is familiar)
- 6. 予備知識不要の原則 (Require no prior knowledge to use)
- 7. 組織構造からの独立性 (Be agnostic of organisational structures)
- 8. 最小限の手順 (Require the minimum possible steps to complete)
- 9. 一貫性の維持 (Be consistent throughout)
- 10. 行き止まりの排除 (Have no dead ends)
- 11. 普遍的な利用可能性 (Be usable by everyone, equally)
- 12. 適切な行動の促進 (Encourage the right behaviours from users and service providers)
- 13. 迅速な変更対応 (Respond to change quickly)
- 14. 意思決定の根拠の明示 (Clearly explain why a decision has been made)
- 15. 人的支援へのアクセス性 (Make it easy to get human assistance)
- ワークショップの告知
優れたユーザー体験を実現するための、普遍的な15の原則は、あらゆるサービスの設計、評価、品質管理に役立ちます。
1. 見つけやすさの確保
(Be Easy to find)
初めて利用する人や、詳しい知識がない人でも、必要なサービスを簡単に見つけられるようにします。
例えば、「車の運転を覚えたい」と思った人が、スムーズに「運転免許の取得方法」にたどり着けるようにすることが重要です。
2. サービスの目的を明確に説明
(Clearly explain the purpose of your service)
サービスの目的は、ユーザーが利用を開始する時点で明確に理解できる必要があります。
予備知識がなくても、「このサービスが自分にどんな価値を提供し、どのように利用できるのか」が直感的に分かることが重要です。
3. 期待値の適切な設定
(Set the expectations a user has of your service)
優れたサービスは、ユーザーに求められる事項とサービス提供者が提供する内容を明確に説明します。所要時間、費用、利用制限などの情報を含め、相互の期待値を適切に設定します。
4. 目的達成の実現性
(Enable each user to complete the outcome they set out to do)
優れたサービスは、ユーザーが目標を達成することを支援します。事業を始めることや、運転免許を取得すること、引越しをすることなど、どのような目標であっても、途切れることのない一連の流れとして実現することができるようにします。目標について考え始める段階から、目標を達成した後の支援まで、一貫した支援を提供します。
5. 馴染みやすい操作性
(Work in a way that is familiar)
人々は今までの体験をもとに物事を理解します。利用者にとって役立つ今までのやり方があれば、その方法に従うことが大切です。ただし、すべてのやり方が役立つわけではありません。会社や組織の都合で決められた効率の悪いやり方や、古くなったやり方は使わないようにします。
6. 予備知識不要の原則
(Require no prior knowledge to use)
サービスは、ユーザーの予備知識を前提とせずに利用できるべきです。
7. 組織構造からの独立性
(Be agnostic of organisational structures)
サービスは、組織の中の仕組みを利用者に見せすぎることなく動かすことが必要です。
8. 最小限の手順
(Require the minimum possible steps to complete)
サービスデザインは、提供チャネルに関わらず、一貫したデザインと使い心地を維持する必要があります。
言葉の使い方、ビジュアルデザイン、インタラクションのパターンに統一感を持たせることで、ユーザーがどのチャネルでも迷わず快適に利用できるようにします。
9. 一貫性の維持
(Be consistent throughout)
サービスデザインは、提供チャネルに関係なく、全体を通じて統一された外観と使用感を維持する必要があります。言語表現、視覚的スタイル、インタラクションパターンの一貫性を保つことが重要です。
10. 行き止まりの排除
(Have no dead ends)
サービスデザインは、利用資格や適性に関係なく、すべてのユーザーを明確な結果に導く必要があります。次の行動が分からず立ち往生するユーザーを作ってはいけません。
11. 普遍的な利用可能性
(Be usable by everyone, equally)
サービスデザインは、置かれている状況や個人の能力にかかわらず、必要としている全ての人が使えるようにしなければなりません。誰でも同じように使える環境調整が必要です。
12. 適切な行動の促進
(Encourage the right behaviours from users and service providers)
サービスデザインは、利用者と職員の両方にとって役立つ、安全で効果的な行動を勧める必要があります。利用者に対して、個人情報をどう使うのか説明せずに情報を求めるなど、危険な習慣になりかねない行動は勧めてはいけません。
また、職員に対しては、電話応対を短く済ませることを目標にするなど、サービスの質を下げることにつながる報酬の仕組みを作ってはいけません。
13. 迅速な変更対応
(Respond to change quickly)
サービスは、利用者の状況が変わった時に素早く柔軟に対応し、変更内容をすべての場所で同じように反映させる必要があります。
例えば、インターネット上で電話番号を変更した時は、実際の窓口でもその新しい電話番号が使われる必要があります。
14. 意思決定の根拠の明示
(Clearly explain why a decision has been made)
サービスの中で判断が下される場合、判断理由をその時点で分かりやすく説明する必要があります。また、利用者が判断理由に納得できない場合に、意見が言える場所も用意します。
15. 人的支援へのアクセス性
(Make it easy to get human assistance)
サービスは、必要に応じて有人のサポートへ簡単に相談できる方法を常に提供しなければなりません。
ワークショップの告知
サービスデザインの世界的権威であり、ベストセラー『Good Services: How to Design Services that Work』の著者であり、英国政府デジタルサービス(GDS)で初のサービスデザイン責任者を務めたLou Downe氏と、英国サービスデザイン界の先駆者であるSarah Drummond氏のワークショップが3月30日に開催されます。
デザイン思考も組み合わせてソリューションをどのように生み出すかを学ぶことができます。サービスデザインは設計だけでなくステップを理解するとうまく機能していきます。15の基本原則を元に、3段階のステップを踏みながらステップアップするマインドセットを学ぶことができます。
「サービスデザインの真髄」
開催日時:2025年3月30日(日)9:00〜

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